料理名に対する疑問
先日あることを疑問に思いました。
ジャーマンポテトという料理があります。作り方に関しては色々ありますが、(茹でた、またはそのままの)ジャガイモをベーコンや玉ねぎと一緒に炒めて(または焼いて)塩コショウで味付けしたものが一般的です。大体こんな感じの料理です。
居酒屋などに行けばよくあるメニューでしょう。ジャガイモとベーコンと言う組み合わせはとても美味しくビールに良く合います。ジャガイモ、ベーコン、ビールといかにもドイツな料理ですね。そして、ここで疑問。
この料理、本当にドイツの料理なのか?
ということです。なんせ名前がジャーマンポテト。これはドイツ語ではなく英語ですよね。ドイツにはこういう料理は無いが、なんとなくドイツ的なのでこういう名前をつけられた日本発祥の料理なんてことはなかろうか?という事が疑問になったのです。
一応、「ジャーマンポテト」で検索するとドイツの有名な家庭料理だという記述が多数見つかります。簡単な組合せであって、ジャガイモやベーコンなどはドイツでよく食べられているようなので、やはりちゃんとしたドイツ料理のような気もします。だとすると、次に別の疑問が出てきました。
この料理はドイツ語でなんと言うのだろう?
ドイツ語だとジャガイモはカルトッフェルと言うようなので、ドイッチュェカルトッフェル?
絶対違うでしょう。
そんなわけでドイツのジャガイモ料理を色々と調べてみたのですがぴったり同じというのはなかなか見つからず。どうやら、北部地方の郷土料理の一つでブラート・カルトッフェルン(Bratkartoffeln)というジャガイモをバターで炒めた料理があり、これが日本で言うところのジャーマンポテトの原型らしいということは分かりました。日本のようにベーコンや玉ねぎは入っておらず、肉料理の付け合せによく出るとのこと。
しかし、地方や地域によって具を加えるようで、ベーコンや玉ねぎを入れる物もあるのだとか。そうなるとかなり日本で言うところのジャーマンポテトに近くなります。
ちなみに、アメリカではジャガイモ、ベーコン、炒めた玉ねぎ、ピクルスを酢で和えたジャーマンポテトサラダという温かいサラダがあるのだとか。となると、ジャーマンポテトが英語だけに、日本発祥ではなくアメリカから導入されたのか?日本でのジャーマンポテトの元祖なども調べてみたのですが結局正確なところは分かりませんでした。
とりあえず、まずは調査のために上のブラート・カルトッフェルンを食べてみて日本のジャーマンポテトと比べてみるのがいいかもしれません。
ところで、ジャーマンポテトのような感じの名前のついた料理は他にもいろいろあります。以前にも書いたことがありますが、スパゲッティナポリタン。他にトルコライスとか。これらは完全に日本発祥のようです。詳しくはこのあたりに。
ウィキペディア
ナポリタン
トルコライス
以前書いた記事で疑問に思ったフレンチトーストに関しては、同じくウィキペディアにありまして、それによると「フランス語では pain perdu 」、「北アメリカ、ヨーロッパの一部、アジアの一部の国・地域などで朝食や軽食としてよく食べられているパン料理の1種。」、「ヨーロッパの様々な国で作られていたことが記録に残っており、その歴史は中世に遡る。」などと書かれています。他も色々調べてみると、考え出したのはベルギーの人で、硬くなったパンを美味しく食べる方法だった。そして、アメリカのベルギー系の移民の人がこのパンを食べていて、フランス語を話していたのでフレンチトーストと呼ばれるようになったという話もあるようです。フランスの料理というわけではないですが、フランスには少なからず関係がある模様。
ウィキペディア
フレンチトースト
このほかにアメリカンドッグなどもあります。これはアメリカが発祥とのことですが、アメリカでは日本のようにホットケーキミックスなどではなく、トウモロコシの粉を使うので「コーンドッグ」と言うそうです。
ウィキペディア
アメリカンドッグ
ところで、上のリンクの内容によると、このアメリカンドッグは北海道では「フレンチドッグ」というのだとか。砂糖をかけて食べることもあるようです。外側はいいとして中のソーセージに砂糖はどうなんだろう?
ソーセージと言えばフランクフルトソーセージというのはどうなんだ?フランクフルトにあるのか?
疑問は尽きません。
ランキング参加してます。クリックよろしくお願いします!
レシピブログ ランキング
人気blogランキング
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
ルーツを探っていくのもなかなか楽しいですね。
スパゲッティナポリタンは何かの雑誌の記事で、関東地方の著名なホテルのシェフが作り出したと聞きました。なぜナポリタンなのかは忘れてしまいました....。ドイツはピクルスとか野菜サラダがとても美味しいですよね。ほかの料理とは違い、繊細です。
投稿: Yumi | 2008年6月19日 (木) 19時54分
初めて書き込みさせていただきます。平日もさることながらお休みの日のお酒記事を楽しみにしております。
ジャーマン・・・関係ですが、日本では「日本なんとか」と名前が付いた料理はありませんよね。
「インドカレー」はインドにはないと思いますし、ジャワカレーはジャワにはないと思います。ボンカレーもボンにはないと思います(笑)
国の名前を付けるのは、他国に対するエキゾチックな感覚も含まれていると思います。外国に行けば、とんでもないものが『日本なんとか』と呼ばれているかも知れませんよ。
投稿: すずめの巣 | 2008年6月19日 (木) 21時09分
Yumiさん
上のリンクの記述によると、ナポリタンは横浜山下町にあるホテルニューグランドの総料理長であった入江茂忠氏が考案したもので、今の大衆化したナポリタンとは違い、ナポリ風のソースを使ったものだったからのようです。語源とか、その物の由来を色々調べると意外な発見があって面白いです。
すずめの巣さん
はじめまして。コメントありがとうございます。酔ってグダグダな記事が多い週末も楽しんでいただけるなんて光栄です。
日本だと、実際にその場所で食べられているような「沖縄そば」とか「長崎ちゃんぽん」みたいなのはありますが、流石に「日本なんとか」は聞かないですね。「中華そば」に対して「日本そば」というのはあるか?ちょっと違うか。
きっと海外に行くとアンビリーバボーな名前の「日本なんとか」あるでしょうね。「日本」とついているならまだしも、和食もどきな物に「サムライなんとか」だとか「ニンジャなんとか」なんてのもありそうです。それを探すのも面白そうです。
投稿: 吉成 | 2008年6月19日 (木) 23時12分
3年ほど前に中国内陸部に行ったとき、歓迎会で「日本豆腐」というものが出ました。
その実態は、卵豆腐でした。
中国全土で卵豆腐=日本豆腐なのかどうかはわかりません。
調理法は、うま煮というか、塩味の清湯のあんかけでした。
あっさりした味でなかなか美味でした。
投稿: koto | 2008年6月20日 (金) 01時16分
おお、何という意外性。
投稿: いまのん | 2008年6月20日 (金) 23時15分
http://www.esampo.com/style/cooking/tania/backnumber/dec/12.htm
はじめまして
Bauernfruehstueck(農夫の朝食)というのだと思います(母がむかしから、これはドイツではこういうといっていました)。ただ、むこうにはいろいろなバージョンがあって卵を落とすのなどもありますので、別物だという方もおられると思いますが。
投稿: はじめまして | 2008年6月23日 (月) 19時20分
追加です。
ソーセージ(Wurst)に関しては、ビールみたいに地方ごとに名物があります。フランクフルトにもありますが、日本のとは違います。というか、ドイツのソーセージは日本のと全然違う(中の肉も外の皮も!)ので、どのソーセージが日本のどれに相当するというのが言いにくいように思います。
ちなみにたぶん一番くらい有名でおいしいのがニューるンベルクのニュールンベルガーで、白っぽくて小さくてあぶったものを10本くらい屋台などで食べるものです。
投稿: はじめまして | 2008年6月23日 (月) 19時27分
ビールはハートランドでしょうか?(*'‐'*)
投稿: kanappy | 2008年6月26日 (木) 12時14分
kotoさん
その日本豆腐食ってみたいです。いつか「世界の日本料理」なんてネタができれば楽しいですが、何カ国も回れないので実現は難しそうです。
いまのんさん
そうなんです。疑問はネタの基本です。
はじめましてさん
コメントありがとうございます。こんな適当な話にこれほど詳しい話を頂いて恐縮です。この後のレポートでもお伝えしましたが、ブラートカルトフェルンはジャーマンポテトであったり、そうでなかったり。実際そうでないというほうが強いですが、あれをジャーマンポテトと出されれば日本人的にジャーマンポテトでした。とりあえず、ジャガイモとビール旨いです。
ニュルンベルガーソーセージも旨かったです。
kanappyさん
そうです。ハートランドです。我が家はハートランドが普通酒。ケース買いで家に常備してます。
投稿: 吉成 | 2008年6月29日 (日) 01時48分
本当にふつーの卵豆腐でした。<日本豆腐
直径3センチくらいの円形で、あんかけ(酸味は無し)にしてありました。
確かに日本人好みの料理とは思いますが、誰が命名したのでしょう。
投稿: koto | 2008年7月 1日 (火) 18時33分
仕事で使うBratkartoffelnの写真素材を探していてふとこちらに辿り着きました。
ジャーマンポテトは日本の料理です。ドイツ人の夫が、「ドイツのものとはかけ離れている、ジャーマンなんて勝手に言うな」と怒っていたことがあります。ドイツ料理ににんにくはほとんど登場しませんし。
ただし、私が作る「ジャパニーズ・ジャーマンポテト」は、これはこれでおいしいと認めて受け入れています。
日本のジャーマンポテトの原型は、Bratkartoffelnで正しいと思います。
そしてこのBratkartoffeln、本来の作り方で作ると「日本のジャーマンポテトは全く別の料理だ」と断言できるほど違うものができます。そしてものすごくおいしいです。
材料のじゃがいもの最初の扱い方からまず異なります。
ドイツ人の義母からの直伝の作り方にかなり近いレシピはこちらです。https://allabout.co.jp/gm/gc/186720/
投稿: 通りすがりのものです | 2017年7月 1日 (土) 19時24分
ジャーマンポテトに関しては、実際にドイツに行って調べた記事があります。そちらもご覧ください。
http://oyaji-bentou.cocolog-nifty.com/oyajibento/2008/06/1_2a3b.html
投稿: 馬場吉成 | 2017年7月 4日 (火) 18時04分